会長 潮木守一
1996年12月5日
多くの会員が御存知のように、本学会には名誉会員の制度があり、会則第6条で「名誉会員は本会のために特別の功労のあった者から理事会の議を経て総会が推挙する」と定められております。また日本教育社会学会運営内規「Ⅲ 名誉会員について」では「1、名誉会員は本会会長経験者または本会のために特別の功労のあった者で、年齢70歳以上の者の中から推挙する」と規定されております。これらの規定に基づき、1991年に清水義弘先生が名誉会員に推挙されたことは、すでに御記憶のことと存じます。
その後、おりに触れて、会員各位の間から、特別の功労のあった方に対しては、学会としての感謝の意を表明するためにも、名誉会員として推挙すべきではないかとの御意見が提起されて参りました。このような御意見をもとに、これまで種々協議を続けてまいりましたが、去る1996年10月4日九州大学で開催された全国理事会において理事全員の御賛同を頂き、さらにその翌々日開催された総会において、これまた出席者全員の賛成を頂いて、目出度く広島大学名誉教授、元日本教育社会学会会長新堀通也先生を名誉会員に御推挙申し上げることとなりました。
新堀先生の御業績につきましては、改めて説明いたすまでもないことと存じますが、先生は清水義弘、故馬場四郎先生とともに、日本教育社会学会の基礎作りに,多大の精力を傾注されました。今日日本教育社会学会がこれまでに成長できたのも、先生の一方ならぬ御貢献の賜物と存じます。先生はこれまで多数の研究成果を刊行され、教育社会学を一つの学問領域として確立させる上て、多大な功績を挙げるとともに、1981年度から1982年度にかけ、本学会の会長として、学会の運営に多くの功績を残されました。これらの功績がもととなって、昭和62年(1987年)には紫綬褒章を受賞されたことは、多くの人々の記憶に新たなことと存じます。
このような我々の偉大な先覚者に名誉会員として御就任頂けたことは、我々にとって喜ばしいことであるとともに、この上もない名誉なことと存じます。また名誉会員には「学会運営等にかんし、会長にたいし意見を述べることができる」と規定されておりますので、先生には我々後輩に対して、今まで以上に、御指導、御助言を賜りたく、会員一同に代わってお願いいたす次第です。またこの機会を借りて、先生の益々の御活躍を、ご期待申しあげたく存じます。
末尾になりましたが、今回の名誉会員推挙を積極的に支持して下さった全国の理事の方々、そして総会において暖かい拍手をもって推挙を支持して下さった会員の皆様に、心から御礼申し上げたく存じます。